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【精神保健福祉士】とは、どんな資格?

【精神保健福祉士】とは、どんな資格?

精神保健福祉士とは、医療・保健・福祉にまたがって活躍する精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの国家資格です。うつ病や統合失調症、認知症など精神障がいのある人に、社会復帰のための助言や、その人らしいライフスタイルを送れるように支援を行います。

このページでは、精神保健福祉士の資格内容・メリット・受験資格・合格難易度・取得後の転職のコツなどをご紹介します。

「精神保健福祉士」とはどんな資格?

精神保健福祉士は、精神障がいのある人に対して社会福祉学を学問的基盤とし、生活問題や社会問題の解決のための援助を行います。
医療と地域生活の橋渡しを行う重要な役割を担い、障がいがあってもその人らしいライフスタイルが送れるようサポートします。

社会福祉士、介護福祉士に次ぐ福祉系の三大国家資格の1つとして、介護施設や福祉施設を中心に活躍の場が広い資格です。

精神保健福祉士は、精神科ソーシャルワーカー(PSW:Psychiatric Social Worker)とも呼ばれ、1950年代より精神科医療機関を中心に医療チームの一員として導入された歴史ある専門職です。

以前は精神科ソーシャルワーカーは国家資格を持ちませんでしたが、精神保健福祉士法(平成9年12月19日法律第131号)の成立により、「精神保健福祉士」の名称で国家資格として定められています。

現代の日本は、高ストレス社会と言われ、精神障がいを抱えている人は、日本全国に320万人いると言われています。だれもがストレスを抱える時代で、今後も精神疾患を抱える患者数は増えていく見通しです。

国民の精神的な健康を保持するために、医療、保健、そして福祉にまたがる領域で活躍する精神保健福祉士の役割は、ますます重要になっていくと見られています。

教育機関や一般企業でも精神保健福祉士の雇用が行われており、企業や介護分野でも期待されている資格です。

「精神保健福祉士」を取得するメリットは?

精神障がいを持つ人の社会復帰の専門家に

病院等の医療機関では、患者さんが回復に向かい社会復帰を目指そうとする場合に、専門家が必要となります。自立に向けてどのように活動していけばよいのか、また、逆にさらなる治療のために、どのような場所を利用していけばよいのか、病院外の社会資源にはどのようなものがあるのかなどを熟知した専門家です。

精神保健福祉士は、こうした業務を行う医療の専門家として位置づけられています。

精神保健福祉士は名称独占資格となり、精神保健福祉士を名乗って働くためには国家試験に合格する必要があります。

この資格がなければ精神障がいのある人の社会復帰の専門家になれないわけではありません。しかし、国家資格である精神保健福祉士を取得していることで、社会的な信用も高く、相談者からも大きな信頼を得て働くことができます。

広く社会で求められる資格

ひとつの職場での精神保健福祉士の人数は少ないですが、働く場が幅広いのが特徴です。

近年メンタルヘルスケアが重要視されているため、働く人のストレス対策を目的として、教育機関や一般企業、介護分野でも精神保健福祉士の雇用が行われ、また、地域の精神保健福祉センターや相談支援事業・就労支援事業・保健所・地方自治体にも多くの精神保健福祉士が活躍しています。

ほかにも精神保健関連の資格はさまざまありますが、精神保健福祉は、民間の資格ではなく、国家資格です。信頼度が高く、専門職として自信を持って働くことができるでしょう。

社会福祉士とダブル取得するとさらに強い

精神保健福祉士と社会福祉士、この2つはともに国家資格であり、名前も似ているため混同されがちですが、支援の対象となる人が大きく異なっています。

社会福祉士は、高齢者・子ども・障がいのある人・低所得者など、幅広い人を支援対象としています。

一方、精神保健福祉士の支援対象は、うつ病や統合失調症、認知症などの精神障がいのある人のみとなります。

2つの資格は支援対象者に違いがあるものの、ソーシャルワーカーとして、福祉や保健に対する専門知識を駆使して困っている人の相談援助を行うという点は同じです。

精神保健福祉士と社会福祉士はダブル受験が可能で、国家試験の科目の一部が共通しています。また、別々に受験する場合でも、既に社会福祉士の資格を持っていると、精神保健福祉士の国家試験では受験科目から一部の科目が免除され、逆に精神保健福祉士の資格を持っていると社会福祉士の国家試験では受験科目から一部の科目が免除されます。

「精神保健福祉士」が活躍できる職場は?

精神保健福祉士の主な就職先は、精神科病院・心療内科クリニックなどの医療機関、自治体・保健所・精神保健福祉センターなどの行政機関、就労継続支援事業所・地域活動支援センターなどの生活支援サービスなどです。

特に医療機関で勤務することが多く、精神的な疾患を持つ患者さんやご家族に、精神保健の相談業務、入退院の援助、退院後のサポート、医療機関から社会生活への移行支援などを行います。

また、認知症の方は精神疾患を併発している人も多く、介護施設や介護保険関連施設などでも相談業務を行っています。

患者さんへの相談業務は、主治医、看護師、作業療法士(OT)や臨床心理士など、機関内の他職種との連携が不可欠。そのため、精神保健福祉士法では他職種との連携を保つことが義務付けられています。他職種と連携をし、チーム医療を行う重要な職種のため、コミュニケーション能力が大切になります。

「精神保健福祉士」の受験資格・試験内容・合格難易度とは?

資格試験は年に1回。全国7カ所の都道府県にて、例年1月下旬~2月上旬に国家試験があります。
資格取得のルートはさまざまですが、社会福祉士資格取得者や相談援助実務経験が4年以上ある方以外は、短大以上の学歴があることが求められます。

受験資格

最終学歴や履修した科目などによって、資格要件は異なります。
4年制の福祉系大学で指定科目を修めて卒業した場合、その時点で国家試験の受験資格を満たしています。

社会福祉士の資格を持っている人は、短期養成施設に6ヶ月以上通うことで受験資格を得られます。受験科目からも一部の科目が免除されます。

社会人から精神保健福祉士を目指す場合、大学や短大を卒業した方は一般養成施設を卒業することで受験資格が得られます。

大学や短大を卒業していない方は、働きながら大学卒業資格を得ることができる通信制大学を経て養成施設を卒業、もしくは、指定施設においての相談援助業務を4年以上従事することでも受験資格が得られます。

精神保健福祉士の国家試験の受験資格には、さまざまなパターンがあります。社会人から取得を目指す場合にも何通りかのルートに分かれています。自分の経歴から、最適・最短なルートを見定めましょう。

精神保健福祉士の資格取得ルート図
精神保健福祉士の資格取得ルート図

試験の内容・試験日

  • 試験日:例年1月下旬~2月上旬
  • 試験内容:
    ・精神疾患とその治療
    ・精神保健の課題と支援
    ・精神保健福祉相談援助の基盤
    ・精神保健福祉の理論と相談援助の展開
    ・精神保健福祉に関する制度とサービス
    ・精神障害者の生活支援システム
    ・人体の構造と機能及び疾病
    ・心理学理論と心理的支援
    ・社会理論と社会システム
    ・現代社会と福祉
    ・地域福祉の理論と方法
    ・福祉行財政と福祉計画
    ・社会保障
    ・障害者に対する支援と障害者自立支援制度
    ・低所得者に対する支援と生活保護制度
    ・保健医療サービス
    ・権利擁護と成年後見制度

受験手数料*第21回(平成31年実施)の場合

  • 精神保健福祉士のみ受験する場合: 17,610円
  • 精神保健福祉士と社会福祉士を同時に受験する場合: 28,140円(=精神保健福祉士14,160円+社会福祉士13,980円)
  • 精神保健福祉士の共通科目免除により受験する場合: 14,080円

以上公益財団法人社会福祉振興・試験センターHPより

合格難易度と合格率

規定の科目のすべてに得点があり、かつ全問題に対する正答率60%程度を基準としています。第21回(平成31年実施)の合格率は62.7%。
(厚生労働省HPより)

「精神保健福祉士」の上手な転職のコツ

精神保健福祉士の年収や勤務条件はさまざまです。面接のときは待遇面などをしっかりと質問し、納得のいく職場を選びましょう。

また、精神保健福祉士は必要とされる職場が幅広いため、自分がどのような形で貢献し、どのような人々と関わっていきたいかをしっかり定めた上で、自分にあった職場をみつけましょう。

特に、社会福祉士資格も取得しているのなら、社会福祉士として相談業務を行い、精神疾患のある方の専門的な相談業務も請け負えるため、非常に信頼度の高い存在になれるでしょう。面接のときなどに、ぜひ強くアピールしてみてください。

精神障がいといっても、患者さん一人ひとりの置かれている状況は異なり、生活環境や、歩んできた人生、考え方も異なります。
支援した患者さんが社会復帰していく姿を見ることができた時は、精神保健福祉士にとってこの上ないやりがいを感じることができるでしょう。

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