介護助手・介護補助とは?

資格は持っていないけれど、介護の仕事に興味がある、というなら、介護助手や介護補助の仕事から始めてみるのもよいでしょう。介護士の先輩のそばで働きながら、現場に役立つ介護を学ぶことができます。このページでは、介護助手・介護補助の仕事内容・やりがい・給料・労働時間などをご紹介します。

介護助手・介護補助の仕事内容

介護助手・介護補助は、介護現場をスムーズに動かす影のキーパーソン

介護の現場が人手不足なのは、周知の事実です。団塊の世代が全て75歳以上となる2025(平成 37)年には、約38万人の介護人材が不足すると見込まれています。そのため、厚生労働省も地域と二人三脚で介護人員確保に尽力しています。
また、「介護離職ゼロ」の実現を考えても、2020年初頭に向けて、約25万人の介護人材を確保する必要があると言います。

そこで、厚生労働省は「介護助手」職の導入に積極的です。
「介護助手」は、「介護補助職」、「介護補助員」などと呼ばれることもあります。文字通り、介護専門職の助手や補助として現場で働く人のことをいい、資格が必要ない職種です。

国家資格を持つ介護福祉士などには、より専門的に介護業務に専念してもらい、部屋の整備などは介護助手・介護補助が担います。これによって、介護現場で働く人の総数を確保し、介護サービスのレベルも上げようという考え方です。
つまり、介護助手・介護補助は、介護業界の未来を担い、現場をスムーズに動かす影のキーパーソンなのです。

若い世代が介護業界にスムーズに入って来られる

厚生労働省は当初、介護助手には、特に高齢者に活躍してもらおうと考えていました。
長寿社会の現在では、60歳、65歳で定年退職をすると、家で何十年も過ごすことになります。ただ家にいては運動不足になり、生活習慣病のリスクが大きくなります。また、経済面での不安もあります。
そこで、高齢者の就労の場をつくり、介護助手として働くことで、本人の介護予防にもつながると考えていました。

しかし、実際には高齢者の雇用だけではなく、若い世代からも注目が集まっています。
「介護職として働いてみたいけれど介護の資格を持っていない。まず、資格なしでも働ける仕事から業界に入っていきたい」
そんな風に希望する若い世代にも、介護助手・介護補助は大いに期待されています。

ハードな介護をせず、利用者の部屋の整備や、話し相手に

では、介護助手・介護補助とは、どのような仕事をするのでしょうか。

利用者の食事介助、排せつ、入浴など、身体に触れる介護の仕事は、介護職員初任者研修(かつてのヘルパー2級相当)以上の資格をもっていないとできません。
そこで、介護助手・介護補助は、身体介護以外の業務を担います。

介護助手の導入を早くから始めていた三重県 介護老人保健施設協会の例をみると、仕事内容は以下の3分類になっています。

【Aクラス】

一定程度の専門的知識・技術・経験を要する比較的高度な業務(認知症の方への対応、見守り、話し相手、趣味活動のお手伝い 等)

【Bクラス】

短期間の研修で習得可能な専門的知識・技術が必要となる業務(ADL=日常生活動作に応じたベッドメイキング、配膳時の注意 等)

【Cクラス】

マニュアル化・パターン化が容易で、専門的知識・技術がほとんどない方でも行える業務 (清掃、片付け、備品の準備 等)

このように、仕事内容はさまざまです。「助手」や「補助」だからといって、だれかにいつも指示してもらうわけではありません。自分の裁量で利用者の生活をサポートする場面もあり、単純作業ではなく、やりがいのある仕事です。
実際の仕事内容は、経験や研修受講の有無、パーソナリティや体力、年齢なども踏まえ決まっていくでしょう。

はじめてチャレンジする仕事の場合、本当に自分に合うかどうかは、字際に働いてみないとわからないものです。介護助手・介護補助として働きながら、介護業界が自分に合うかどうか試してみるというのもいいでしょう。

先輩の仕事を目の前で見ながら、介護の仕事の一端を担うのですから、介護の仕事が非常によくわかります。いざ、本格的に介護職員の仕事を始めようと思った際も、スムーズに仕事に入っていけるはずです。

介護助手・介護補助になるには〜資格は必要なし!

自治体の研修や民間の通信資格などで勉強することも

介護助手・介護補助になるのに資格は必要ありません。何ヶ月、何年も勉強せずに、すぐ始められるがこの仕事の魅力の一つ。
しかし、ある程度勉強してから仕事を始めたい人のために、受けやすい講座なども用意されています。

地方自治体などでは、介護の基礎がわかるような無料講座を用意しているところが多く見られます。各都道府県によって、研修の内容はさまざまで、日程も1日で終わってしまうようなものもあれば、8日間みっちりと教えてくれるところもあります。
こうした研修を受けなければ介護助手になれないわけではありませんが、介護現場では待ったなしでさまざまなことが起こります。判断の基盤となる知識を持っているかどうかで、対処の仕方も違ってくるでしょう。
知識はつけておくにこしたことはありません。

<介護人材の機能とキャリアパスについて>

厚生労働省のホームページより

また、通信教育などでは、介護の基礎知識について学び、最後に試験をして、実力を評価するような民間資格もあります。こちらもさまざまな形態がありますが、介護についての基礎知識や、利用者とのふれあい方などについて、一定の知識を得ることができるでしょう。

なお、「無資格でもできる仕事」とはいえ、資格を持った上で、あえて介護助手・介護補助を選択する人もいます。
ヘルパー2級や准看護師として働いていたけれど、出産や育児で家庭に入り、しばらく仕事をしてなかった人。また、将来のために初任者研修の資格はとっていたけれど、実際に現場で働いた経験はない人、などです。
ある程度の経験や知識はあるけれど、いきなり即戦力として任されるのが不安な場合、あえて介護助手・介護補助から始める人もいます。

つまり、介護助手や介護補助は、無資格でもできる、資格があってもできる、ということです。

仕事に就いてから取得するとよい、主な介護の資格

介護助手の仕事で介護業界に興味を持ち、さらに続けていこうと思うのであれば、以下のような資格を目指すこともできます。
介護事業所によっては、資格をとることに協力的で、講座や受験費用を一部補助してくれたり、講習に行く時間を確保してくれたりするケースもあります。

●介護職員初任者研修

介護職として必要なスタートラインの資格で、かつてのホームヘルパー2級に相当(ヘルパー2級は2013年に廃止)。もっとも取得しやすい介護の資格です。
130時間の基礎知識・倫理・実務を学び、最後の試験に合格して取得できます。この資格があれば、身体介護ができます。
→詳細はこちら「介護職員初任者研修とはどんな資格?」

●実務者研修

介護職員初任者研修よりも、さらに詳しく幅広く知識や技能を身につけられる資格。基本的な介護提供能力の修得に加え、医療的ケアに関する知識や技能の習得が大きな目的で、かつてのホームヘルパー1級や介護職員基礎研修に相当(2013年に実務者研修に一本化)。

平成29年1月の介護福祉士国家試験から、介護福祉士資格を得るためには、3年以上の実務経験を経たうえで、この実務者研修を受講することが必須となります。受講時間数は450時間ですが、過去の研修過程の受講によって一部が免除されることもあります。
この実務者研修を修了することにより、2012年度より医療行為である「喀痰吸引(たんの吸引)」が介護職員でも実施できるようになりました。(ただし『実地研修』修了が必須)

●介護福祉士

介護の資格のなかで、唯一の国家資格です。直接介護を行う資格のうち、最上位の資格といえます。介護福祉士の資格を取得するには、一定の実務経験を経てから所定の研修を修了するルートや、福祉系の学校・養成施設を卒業するルートなど、複数のルートがあります。
→詳細はこちら「介護福祉士とはどんな資格?」

介護助手・介護補助の魅力・やりがい

介護の資格がなくてもすぐに始められる

介護業界の仕事のほとんどは専門職。そのため資格を持つことが非常に重要になりますが、介護助手・介護補助なら、無資格でもOKです。

「介護の仕事をするには、まず資格を取らなければいけない」と思うと、二の足を踏んでしまいそうですが、「無資格でできる仕事なら、すぐに始められる」と思えば、勇気が出ます。
まず、無資格からスタートし、介護業界が自分に合うと思えば、どんどんステップアップすることが可能なのです。

また、前述したように、各都道府県では、日程の短い無料の研修が用意されているケースもあり、職場で研修をしてくれるところもあります。無資格で知識がなくても、数日で介護の基礎を学べ、安心して飛び込むことができます。

不安を感じる仕事はなく、まず仕事に飛び込んでいける

介護助手・介護補助は、介護福祉士などの専門職のサポートにあたります。先輩職員とともに働くので、介護の現場の仕事がよくわかります。

介護職員として働く際に、不安を感じる仕事として、「排せつ介助」や「入浴介助」があげられるでしょう。いわゆる下の世話や、入浴のお手伝いです。
介護や医療の仕事についていない限り、家族以外の排せつや入浴に立ち会う機会はそうそうありません。はじめてであれば、「自分にできるだろうか・・・」と、不安に感じるのは当然です。

排せつ介助や入浴介助など、利用者の身体に直接触れる介護は、介護業界では「身体介護」と呼ばれます。身体介護ができるのは、資格がある人に限られます。
つまり、介護助手・介護補助には、こうした身体介護は法律で「させない」ことになっています。

老人ホームに勤務する場合は、利用者の部屋の清掃やシーツの交換などを担ったり、利用者の見守り、話しかけなどが中心となります。
こうした部分から介護の仕事になじんでいけるので、仕事上の困難をあまり感じずに仕事をはじめられるでしょう。

働く時間が自由に決められる、短時間単位で働ける

介護助手・介護補助の場合、時間給で働くことが多くなります。
ですから、小さなお子さんがいる方、体力がない方、ダブルワークをしたい方、学生の方なども、仕事をしやすい環境です。

割合としてはパート・アルバイトでの勤務が多めですが、中には正社員の求人もあります。

介護業界は、急速に進む高齢化にスタッフの数が追いつかず、常に人手不足。つまり売り手市場です。多少自分の都合を優先しても、雇用してもらえるケースが多いのも特徴です。

求人情報を見ても「未経験OK」「無資格OK」「短時間勤務OK」「自転車・バイク通勤OK」などの文字が目立ちます。自分の生活を大事にしながら、介護業界で働くことができます。

介護助手・介護補助の1カ月の平均給料

「介護職の仕事」と「介護助手の仕事」を職種として切り分けよう、というのは最近の新しい動きです。10年ほど前までは、資格を持つ介護職がほとんどの業務を行っていました。
最近になって、資格が不要な業務には介護助手・介護補助を採用したり、外部に委託したりと切り分ける事業所が増えています。

しかし現在も、事業所によっては介護助手・介護補助がいないケースが数多くあります。おそらく、これから何年かかけて、少しずつ職種として確立していくのではないか、と予想されます。

このようなことから、介護助手・介護補助の平均給与に関する明確な統計データは現在ありませんが、おおむね有資格者である介護職より若干低い金額が相場です。

介護求人パークに掲載されている首都圏の介護助手・介護補助の求人の場合は、時給900円〜1300円程度、月給の場合は15万〜20万円ぐらいが多く見られます。

介護助手職の処遇については、香川県の平成29年度介護人材新規参入促進事業業務仕様書には、以下のように書かれています。

介護助手の労務管理及び給与等の支払い

1)介護助手の雇用にあたっては、労働者派遣法その他労働関係法令を遵守すること。

2)介護助手に支払う賃金は、時間単価とし、適切な単価を設定すること。

3)介護助手の時給単価は、法令に違反しない範囲で設定し、勤務場所に応じた通勤交通費 を支給すること。

4)原則として夜間勤務及び超過勤務は本事業の対象としない。

5)介護助手の雇用条件に応じ、社会保険に加入すること。

6)介護助手が従事する業務内容について、介護助手本人の意向と事業者の意向を調整し、 事業者の介護職員の行う業務との差別化を行うこと。

つまり、多くは時給で働くけれど、法に基づいた雇用をし、適切な賃金を提示すること。交通費は支給。夜勤や残業は基本的になし、労働時間が長くなれば、基準にしたがって社会保険に加入する。事業所の正職員などと同じ業務を時給で働く介護助手には求めない。

上記はあくまでも香川県での例ですが、他の都道府県でもさほど大きく変わらないと思われますので、参考にしてください。

介護助手・介護補助の働き方〜労働時間・シフト

前述したように、介護助手・介護補助は時給で働く場合が多く、パート・アルバイト勤務や派遣スタッフとしての勤務が中心です。
労働時間や働く曜日、時間帯などは自由度が高く、残業は基本的には求められないと思ってよいでしょう。

ただ、中には正社員として働く場合もあります。介護助手のプロを極めるケースもあるでしょうし、助手として勤務しながら、資格を取って介護の専門職として働き続ける。そんな形を選ぶこともできます。

シフトや労働時間は、事業所によっていろいろなので、率直に聞いてみるといいでしょう。

介護助手・介護補助の職場・就職先

介護助手・介護補助の職場はとても幅広いです。
デイサービス、小規模多機能型居宅介護などのような在宅支援サービス事業所、認知症型グループホームや有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、老人保健施設などの入居系のホームなどなど。

特に、利用者・入居者の多い規模の大きな介護施設では、介護助手・介護補助を募集しているケースが多いでしょう。ただし、「介護助手募集」「介護補助募集」とは言わずに、「介護職員募集(無資格OK)」のような言い方をするケースもあります。

まだ、業界的に、明確に職種として確立されていないため、混在していて少し分かりにくいですが、ぜひ注意して求人情報を見てみてください。

なお、「看護助手」というのは、看護の現場(主に病院など)での看護師の助手です。仕事内容は「介護助手・介護補助」と似ている部分もありますが、勤務先などが異なります。

また、「訪問入浴」の場合は、もともと介護の資格を持たずに仕事をすることができます。介護施設の介護助手とは仕事内容が異なりますが、無資格から仕事ができるのは共通点です。

事業所によって求められる仕事内容や勤務条件などが違いますので、面接のときなどには十分に内容を確認しましょう。

特に、雇用形態については、はっきりさせることが大切です。時給で働くアルバイト契約なのか、1年契約なのか、正社員なのか。「いずれ正社員に」と言うのなら、その条件をどう定めているのかも聞いておきましょう。
あいまいであれば、「いずれ、というのは可能性が低いかもしれない」と思っておくほうがいいかもしれません。

また、健康保険や年金、雇用保険などについてもしっかり聞いておきましょう。単に報酬の数字だけでなく、福利厚生の充実度なども含めて、勤務先を決めるといいでしょう。

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