実務者研修とは?

実務者研修とは、基本的な介護能力を高めるために取る資格。
初心者向けの「介護職員初任者研修」から、ランクアップした内容です。また、国家資格である「介護福祉士」へのキャリアアップのためには、必須の資格でもあります。
このページでは、実務者研修の資格内容・メリット・受験資格・合格難易度・取得後の転職のコツなどをご紹介します。

「実務者研修」とはどんな資格?

介護職員初任者研修が介護の基礎を養う研修・資格だとすると、実務者研修はそこから一歩進んで、幅広い利用者に対する介護提供能力を獲得することが目標です。かつてのホームヘルパー1級資格に相当しますが、それだけではありません。

研修は、2年以上の養成課程を持つ「介護福祉士」養成校の到達目標と同等の水準。今後の介護保険制度の改正内容や新たな課題・技術・知見を自ら把握できる能力も期待されています。

つまり、介護のプロとして進むためには、とても重要な研修なのです。

また、この資格が創設された背景には、「介護福祉士 資格取得方法の見直し」があります。介護福祉士については、これまで介護に関わる実務経験が3年以上あれば、初任者研修しか持っていない人でも受験資格がありました。

が、多様化する介護ニーズなどに対応するためには、介護福祉士の資質向上を図る必要性があります。なにしろ、介護福祉士は国がその力量を保証する「国家資格」。この資格を与えるには、現場力だけでなく、一定の教育課程を経て得た知識や技術が不可欠だと、国は考えているのです。

そこで、実務経験者が国家試験としての介護福祉士を受験するには、「実務経験3年以上」に加え、「6カ月以上の実務者研修の受講と修了」が義務付けられました。

(専門学校などで一定の教育課程を経て介護福祉士資格を得る場合を除く)

さらに、最近介護職に強く要望されている、たん吸引や経管栄養の実務も、この実務者研修の中で学ぶことができます。

研修は450時間と長時間ですが、数年かけて少しずつ修了に導けばよいことになっていますし、通信教育の積極的な活用も認められています。

さらには、介護職員初任者研修を受講していれば、その分の130時間の研修は「読み替え」という形で免除されます。旧ホームヘルパー資格や認知症研修などを受けた者も、同様に一定時間の免除があります。

「資格を得る」のはもちろんですが、介護を担うプロとして、広範な知識やよりすぐれた技術を獲得し、仕事に自信を持つことができるはずです。

なお、国家試験受験時に「実務者研修修了」が義務付けられるのは、平成28年度(試験時期:平成29年1月)の国家試験からとなります。

「実務者研修」を取得するメリットは?

高い介護技術と知識を身に付けることができる

介護職員初任者研修の130時間を含めた450時間の研修は、実務経験のみでは修得できない知識・技術を中心に構成されています。

これまで実地で行ってきたことを振り返り、理論づけができているか、手順は本当に正しいのかなど、自分の技術を確認し高めることができます。

認知症についての学術的な知識や、認知症の方の理解なども十分に学べます。

サービス提供責任者になる際に有利

訪問介護事業所で「サービス提供責任者」になるためには、実務者研修か介護福祉士のどちらかの資格を持っていることが望まれます。
実際には、ヘルパー2級の資格でもサービス提供責任者になることは可能です。しかし、平成25年4月より「ホームヘルパー2級を修了し3年以上の実務経験を得ることでサービス提供責任者と認められた者」は、訪問介護事業所に配置しても介護報酬(介護事務所の売上)から10%も減額されてしまうことになりました。

そのため、訪問介護事業の経営的な視点でも、実務研修の修了者が求められています。

介護福祉士の受験資格が得られる

前述したとおり、平成28年度以降の試験では、介護福祉士の受験資格が厳しくなっています。

専門学校等の2年の教育課程を経ずに実務経験3年以上の要件を満たしていても、実務者研修の受講が終了していなければ、介護福祉士の受験資格がありません。

介護福祉士資格はキャリアアップのためにも、給料アップのためにも、介護職ならぜひ目指したい国家資格です。そのスタートラインに立つためにも、実務者研修はぜひ受けておきましょう。実務者研修を修了していると、介護福祉士の実技試験が免除されます。

たん吸引・経管栄養の知識を学ぶことができる

これまで医療行為とされてきた「たん吸引」や「経管栄養」。平成24年4月から法改正により、一定の研修を修了した介護職員は医療などとの連携により、一定の条件のもとで「たんの吸引」や「経管栄養」を行うことができるようになりました。

(登録が住んでいる事業所で業務を行うことが条件。また、研修で終了した内容のみ実施できる)。

実務者研修を受講修了していれば、喀痰吸引等研修(第二号研修)の基本研修が履修免除となります(実地研修は必要)。

重症化した高齢者が多くなる中、在宅で、また老人ホームなどでもたん吸引や経管栄養の実施ニーズが高くなっています。実務者研修の受講によってこれらを学んでおくと、就職や転職のときには非常に有利になります。

「実務者研修」取得者が活躍できる場は?

前述したように、訪問介護事業所では、サービス提供責任者として、実務者研修の修了者が大いに活躍しています。現場経験が豊富なだけではなく、幅広く、深い知識や技術を身につけた介護のプロとして信頼されます。

もちろん、デイサービスや老人ホームなどでも、リーダー格として勤務することを望まれます。現場での経験を3年経れば、国家資格である介護福祉士の受験資格を得ることができ、さらなるキャリアアップも期待されます。

認知症やたん吸引・経管栄養の知識もしっかりと得られるので、認知症グループホームや要介護度の高い利用者が多い介護施設では貴重な存在として受け入れられるでしょう。

「実務者研修」の受験資格・試験内容・合格難易度は?

受験資格

特にありません。カリキュラムも試験も日本語で書かれているので、日本語を理解していることは条件になります。

試験内容

実務者研修の資格を得るには、450時間の受講科目を終了していることが必須です。しかし、介護職員初任者研修、かつてのホームヘルパー1・2・3級、介護職員基礎研修の修了者は、それぞれ受講科目が一部免除になります。(以下の表で○がついているのは、免除になる科目です)

このほか、社会福祉協議会や認知症関連の研修を受けた場合も一部科目が免除される場合があるので、問い合わせてみましょう。

厚生労働省<実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について>より

450時間の受講は簡単ではありませんが、現任ヘルパーが働きながら受講しやすいよう、通信教育の活用、身近な地域での受講、数年かけて研修を修了できるための環境整備等の配慮があります。興味がある人は、ぜひチャレンジしてみましょう。

合格難易度

実務者研修の修了判定は、全国一律に決まっているわけではありません。研修を実施しているスクールによって多少の違いがあります。

座学については、学んだ内容を振り返るような課題が提出され、間違いが多ければさらに繰り返して課題提出となる場合があります。

実技試験は一人一人個別に実施され、合格点に達するまで繰り返し「追試」がある場合が多いようです。

ただ、きちんと講師の説明を聞いていればわかる内容で、試験前に練習の機会も十分に与えてもらえるケースが一般的です。落とすための試験ではなく、あくまでも修了認定考査と考え、落ち着いて臨んでください。

受講料

各研修実施校によって異なり、また、免除科目の多さによっても違いがあります。インターネットなどで比較し、実際に問い合わせてみるとよいでしょう。

実務者研修 取得後の上手な転職

介護職員初任者研修の資格よりも、知識も技術もアップしています。サービス提供責任者になることもできますし、老人ホームのフロアリーダーなどにも適した資格です。時間をかけて認知症の研修も受けていますので、認知症グループホームなどでも活躍できます。

資格手当てがつく場合も多く、給料のアップも十分に期待できます。

受講した内容の中で、特に自分が得意とするものや興味が深いテーマがあれば、自分で勉強したり、さらにさまざまな講習会に参加したりして、深めることをお勧めします。転職でも好印象となるでしょう。

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